日本の暦をたのしむ
カレンダーをみると、「春分」「夏至」「秋分」「冬至」などなど、季節をあらわす言葉が書かかれているのを見たことはありませんか。これらは二十四節気とよばれるものです。旧暦をもとに暮らしていた時代に、季節を知るための指標としてつかわれていました。
現代ではあまりなじみのない、旧暦や二十四節気ですが、これらを知ることで、季節のうつりかわりをより細かく感じとって暮らすことができます。このページでは、日本の暦についてまとめてみました。
CONTENTS
暦の種類
太陽暦
世界的に使われている暦。現在、日本でも使用している暦で、「旧暦」に対して「新暦」とよんでいます。太陽暦は、地球が太陽のまわりを1周するのにかかる時間を1年としています。1周するのに約365日6時間かかりますが、1年は切りよく365日。このズレを調整するのが、およそ4年に1度ある閏日2/29です。
太陰暦
太陰暦は、月の満ち欠けの周期を1か月としています。月が新月になる日を月の始まりと考え、新月から次の新月になるまでが1か月。月の周期は約29.5日なので、1年を12か月とすると、1年は約354日となり、太陽暦に比べると11日短くなります。太陰暦は1か月を知るのにはとてもわかりやすいのですが、日本の四季は、月ではなく太陽の影響をうけているので、月の満ち欠けだけをみていると、どんどん季節がズレてしまいます。
太陽太陰暦
こちらが「旧暦」。日本は、明治6年に太陽暦が採用されるまでは、旧暦をつかっていました。旧暦は日本人に長く親しまれてきた国暦で、太陰暦に太陽暦の要素をとりいれた暦法です。太陰暦だと季節がどんどんズレてしまうので、季節を知る目安として、太陽の動きをもとに「二十四節気」と「七十二候」がつくられました。立春に近い新月の日を1年のはじまりとし、3年に1度の割合で閏月を加えズレを修正していました。閏月のある年は、1年が13カ月となっていました。
二十四節気と七十二候
二十四節気とは
1年を春夏秋冬の4つに分けたものを「四季」と呼ぶのに対し、 1年を二十四の気という季節に分けたものを「二十四節気」とよびます。 太陽の動きを元に、1年を二十四に分け、立春からはじまり大寒で締めくくられて1年となります。
七十二候とは
二十四節気のひとつの気をさらに3つに分けた季節のこと。つまり、1年を七十二の候という季節にわけたものを「七十二候」とよびます。候は季節のできごとを短文で表現していて、短文がそのまま季節名になっています。例えば、1年のはじまりの候の季節名は「東風凍りを解く」です。
季節名一覧
季節名を一覧にしました。季節名から、花や鳥や草木に対するあたたかなまなざしを感じます。
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立春(りっしゅん)2/4頃、1年のはじまり
- ・東風解凍(はるかぜこおりをとく)
- ・黄鴬睍睆(うぐいすなく)
- ・魚上氷(うおこおりをいずる)
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雨水(うすい)2/18頃、雪が雨にかわる
- ・土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)
- ・霞始靆(かすみはじめてたなびく)
- ・草木萌動(そうもくめばえいずる)
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啓蟄(けいちつ)3/5頃、虫がでてくる
- ・蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)
- ・桃始笑(ももはじめてさく)
- ・菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
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春分(しゅんぶん)3/20頃、昼夜の長さが一緒
- ・雀始巣(すずめはじめてすくう)
- ・桜始開(さくらはじめてひらく)
- ・雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
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清明(せいめい)4/5頃、万物が明るく清らか
- ・玄鳥至(つばめきたる)
- ・鴻雁北(こうがんかえる)
- ・虹始見(にじはじめてあらわる)
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穀雨(こくう)4/20頃、穀物に実りの春雨
- ・葭始生(あしはじめてしょうず)
- ・霜止出苗(しもやみてなえいずる)
- ・牡丹華(ぼたんはなさく)
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立夏(りっか)5/5頃、夏のはじまり
- ・蛙始鳴(かわずはじめてなく)
- ・蚯蚓出(みみずいずる)
- ・竹笋生(たけのこしょうず)
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小満(しょうまん)5/20頃、草木が茂る
- ・蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
- ・紅花栄(べにばなさかう)
- ・麦秋至(むぎのときいたる)
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芒種(ぼうしゅ)6/5頃、田植えをはじめる
- ・蟷螂生(かまきりしょうず)
- ・腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)
- ・梅子黄(うめのみきばむ)
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夏至(げし)6/20頃、もっとも昼が長い
- ・乃東枯(なつかれくさかるる)
- ・菖蒲華(あやめはなさく)
- ・半夏生(はんげしょうず)
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小暑(しょうしょ)7/7頃、夏本番はじまる
- ・温風至(あつかぜいたる)
- ・蓮始開(はすはじめてひらく)
- ・鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)
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大暑(たいしょ)7/23頃、最も暑さが厳しい
- ・桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)
- ・土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)
- ・大雨時行(たいうときどきふる)
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立秋(りっしゅう)8/8頃、秋のはじまり
- ・涼風至(すずかぜいたる)
- ・寒蝉鳴(ひぐらしなく)
- ・寒蝉鳴(ひぐらしなく)
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処暑(しょしょ)8/23頃、暑さがおさまる
- ・綿柎開(わたのはなしべひらく)
- ・天地始粛(てんちはじめてさむし)
- ・禾乃登(こくものすなわちみのる)
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白露(はくろ)9/8頃、明け方露がつく
- ・草露白(くさのつゆしろし)
- ・鶺鴒鳴(せきれいなく)
- ・玄鳥去(つばめさる)
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秋分(しゅうぶん)9/20頃、昼夜の長さが一緒
- ・雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)
- ・蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)
- ・水始涸(みずはじめてかるる)
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寒露(かんろ)10/8頃、秋深まる
- ・鴻雁来(こうがんきたる)
- ・菊花開(きくのはなひらく)
- ・蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)
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霜降(そうこう)10/23頃、霜がおりる
- ・霜始降(しもはじめてふる)
- ・霎時施(こさめときどきふる)
- ・楓蔦黄(もみじつたきばむ)
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立冬(りっとう)11/7頃、冬のはじまり
- ・山茶始開(つばきはじめてひらく)
- ・地始凍(ちはじめてこおる)
- ・金盞香(きんせんかさく)
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小雪(しょうせつ)11/22頃、雪がちらほら
- ・虹蔵不見(にじかくれてみえず)
- ・朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)
- ・橘始黄(たちばなはじめてきばむ)
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大雪(たいせつ)12/7頃、冬本番はじまる
- ・閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
- ・熊蟄穴(くまあなにこもる)
- ・鱖魚群(さけのうおむらがる)
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冬至(とうじ)12/22頃、もっとも昼が短い
- ・乃東生(なつかれくさしょうず)
- ・麋角解(さわしかのつのおつる)
- ・雪下出麦(ゆきわたりてむぎのびる)
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小寒(しょうかん)1/5頃、寒さが厳しくなる
- ・芹乃栄(せりすなわちさかう)
- ・水泉動(しみずあたたかをふくむ)
- ・雉始雊(きじはじめてなく)
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大寒(だいかん)1/20頃、極寒、1年の終わり
- ・款冬華(ふきのはなさく)
- ・水沢腹堅(さわみずこおりつめる)
- ・鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)
雑節について
雑節とは
二十四節気を補うためにつくられた日本独自の暦で、9つあります。
9つの雑節
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節分(せつぶん)2/3頃、立春の前日、冬から春へ変わる日
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彼岸(ひがん)3/21頃、9/23頃、太陽が真東からのぼり真西に沈む
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社日(しゃにち)3/20頃、9/20頃、豊作を祈り感謝する日
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八十八夜(はちじゅうはちや)5/2頃、立春から88日目で茶摘みの目安
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入梅(入梅)6/11頃、立春から135日目で梅雨に入る時季
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半夏生(はんげしょう)7/1頃、夏至から11日目で梅雨があける時季
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土用(どよう)1/17頃、4/17頃、7/20頃、10/20頃、立春、立夏、立秋、立冬の前18日間
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二百十日(にひゃくとおか)9/1頃、立春から210日目で台風を警戒
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二百二十日(にひゃくはつか)9/11頃、立春から220日目で台風を警戒